過熱水蒸気とは?
水蒸気
水蒸気は、昔、蒸気機関車に使ってましたね。原理は火力発電と同じです。
アンパンマンにもSLマン(エスエルマン)が出てきますね!
画像:anpanman.jpより
今はSLと言われても、私は初めはピンときませんでしたが・・・Steam Locomotiveの略です。
Steamは蒸気、Locomotiveは機関車です。
- 蒸気機関車の仕組み:石炭を燃やした熱で水を沸騰させて発生した蒸気の力を利用して車輪を動かす。
- 火力発電の仕組み:燃料(種類は色々)を燃やして水を沸騰させて水蒸気にし、水蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電力を発生させる。
たかが水、されど水、とても役に立ちます。
「飽和」水蒸気
さて、今日の本題に入ります。
まず疑問に思う方もいるでしょう。
「過熱と言っているのだから、過熱していない水蒸気もあるよね?」
そうです。過熱(熱し過ぎた)の分岐点は沸点です。
水の沸点は100℃です。100℃に達すると、水は蒸発して気体になります。それが「水蒸気」です。
確かに、電気ポットの温度設定を見ると、80度、90度、98度とかの選択肢はありますが、100度の選択肢はありませんよね?それもそのはず、100度をキープしたら、ポットの水が全部蒸発してしまうからです!
「過熱」水蒸気
そして、過熱水蒸気とは、沸点以上に加熱された水蒸気のとこです。
工業的には200℃〜700℃に加熱して利用します。
過熱水蒸気を製造するには二段階の工程があります。
(1)通常のボイラーで常温の水を100℃程度まで加熱する→飽和水蒸気
(2)別の加熱機に供給し、200〜700℃に再加熱する→過熱水蒸気
過熱水蒸気にできること
これはまだまだ応用が研究されていますが、
基本的、温度管理による「加熱」の応用です。
加熱
生活の中で、一番お馴染みなので、オーブンレンジですね。
水蒸気な気体で、とても流動的なので、
(1)短時間で加熱ができる
(2)温度のむらがなく均一に加熱できる
(3)酸素を必要とせずに加熱できる
乾燥
加熱はいろいろ応用できます。
例えば、乾燥にも使えるわけです。そして、過熱水蒸気の場合は、とても効率よく乾燥を進められます。
炭化
加熱と乾燥をさらに進めると、ものは炭化します。
廃棄物の処理なんかにとても有効です。これにや700〜800℃くらいの過熱水蒸気を使えば、臭気はほとんど出ません。
とくに動物の死骸やレストランから出る残飯は大変な匂いがしますので、役に立ちます。
※参考にした記事:jeh-center.org 「期待される過熱水蒸気」」
弊社での応用に思いを馳せて
実は、弊社HIMECでは、害獣を肥料にする機械「コンテナ・コンポスト」を販売しております。
捕獲されたイノシシやシカなどをくだいいて、高温菌で分解し、付加価値の高い肥料の土にしてしまう機械です。
動物は有機物ですから、水分をたくさん含んでいます。人体の7割が水だと言われていますが、動物もさほど変わりません。
加工の過程で水分を十分に蒸発させなければ、保存できる肥料になりません。
だから、「乾燥」というのは非常に重要なプロセスになります。
現在は高温菌から生じる熱エネルギーを再利用して、乾燥の時間を短縮させていますが、この「過熱水蒸気」を利用してさらに早めることも可能なわけです。
もちろんクライアントのニーズによって、使うか使わないかが決まるわけですが、ハイメックは「過熱水蒸気」の応用も視野に入れているわけです。
「コンテナ・コンポスト」についての詳細のご紹介はこちらの記事をご覧ください。
ではまた!